v.m.g

■Story


■character


■募集要項


■確定事項(随時更新)

Story


その日、私は四度目の死を体験した──


一度目は、転落死。

複雑骨折、命は絶対に助からない。

二度目は、中毒死。

あいつが差し出した飴玉には毒があった。

三度目は、失血性ショック死。

胸にねじ込まれた包丁は、正面から刺されたものだった。

四度目は、信じがたい事に首切り。

胴に別れを告げて転がり落ちる私の頭は、首無しの体の向こうに黒衣の女を見た気がした。


そして、私は四度目の目覚めを体験する。

世界は不審者でいっぱいだ。

再生天使を名乗り、私が死ぬ度に私を生き返しているなどと言う男。

崖の上から私を見下ろしていた、貌の無い女。

私の事故を聞きつけて駆けつけた、毒入りキャンディを差し出した男。

正面から私を刺したくせに、私の記憶には全く残っていない誰か。

そして、大鎌を抱えた黒衣の女。

信じられるものなど、何もない。

医者もあてにならない。

警察もあてにならない。

なら私は、何度殺されても生き返り続ける私だけを信じて、利用できるものは利用し尽くして、犯人を追いつめてやろう。

……その息の根を止めてやるために。