v.m.g

Story


ある魔術師の脱走から始まった物語。
魔女の称号を持つライファ=ルレイアによって簡単に鎮圧された些細な事件は、大きな流れのほんの一部であった。

協調性が皆無であるライファは、王宮に戻っても、アカデミーに顔を出してもトラブル続き。
そんな彼女に与えられた次の任務は、首都ルレインから遠くない場所に位置する“嘆きの森”に潜伏している術師の討伐であった。
頼りになる兄貴分のトウラ、冷静に戦況を見極められるシニファー、フォルテクラスの階級を持つ天才魔術師のミラ姉弟、電光石火でアカデミーを卒業した実力者であるリリオット、そして落ちこぼれのフィアと共に森へ向かったライファが目にしたのは、ターゲットであるアオイだけではなかった。
正体不明の仮面の女の襲撃に続き、十年前の反逆の魔女事件の際に死亡したはずの、懐かしい男の変わり果てた姿、そして、存在するはずのない彼女の妹までもが姿を現す。
双子の妹であるリンファと刃を交えるライファ。
そう、彼女こそがライファがずっと“始末する事を目的に”探し続けていた者だったのである。

リンファに逃げられたライファは、王宮で女王を問いつめ、リンファと、それを支援する者の存在を知る。
繋がる、ライファの私怨と十年前の凄惨な事件。
王宮に巣くう黒い実験と、その成果。
居るはずのない者と、居てはならない者。
ライファ=ルレイアは、国を捨て、家族を捨て、全ての元凶と目される反逆の魔女を追って、首都ルレインを後にした。
そう、更なる黒幕が闇の向こうに潜んでいるとも知らずに──